熊大病院で活躍する様々なキャリアの看護師にお話を聞きました。
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Interview 01
規模の大きな病院だからこそ習得できることがたくさん。
Interview 01
規模の大きな病院だからこそ習得できることがたくさん。
県内唯一の特定機能病院であり、高度な医療・質の高い看護を学べるとともに、教育体制が充実していることを知り、当院に入職しました。研修ではいろんな病院を見てきましたが、大学病院という規模の大きさから多岐に渡る疾患をもつ患者さんがいらっしゃり、大きな手術も多く最初は戸惑う場面も。特に私が所属する消化器外科・腎臓内科の混合病棟は食道から腎臓、大腸と範囲も広く、覚えることが多くて苦手意識もあったため、あえて1年目から希望しました。知識を幅広く身につけることができる病棟なので、日々いろんなことを学びながら勉強する毎日です。現在は先輩看護師主導のもと日々の業務を実施していますが、自分で考え行動できるようになりたいです。
研修の内容をすぐ実践できるので、身に付きます。
研修では講義を受けた後、すぐにシミュレーション研修を行います。話を聞くだけでは分からなかったことも、実際にシミュレーションを行うことで「こういうことか」と理解が深まることが多いです。特に印象だったのは、看護技術に不可欠なフィジカルアセスメント研修。講義から実践するまでに間が空いてしまうと忘れてしまいそうで不安になりますが、ここでは習ったことを次の日から現場で実践できるので、身に付きやすく今後の看護にも活かせると感じました。業務をする上でもプリセプターの先輩看護師がずっと付いてくれ、定期的に「最近どう?」と気にかけてくれるため、なんでも相談しやすい環境に。おかげで安心して働くことができています。
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Interview 02
身体的なケアだけでなく、患者さんの心に寄り添えるように。
Interview 02
身体的なケアだけでなく、患者さんの心に寄り添えるように。
所属する消化器内科は、食道から大腸、肝・胆・膵等といった対象疾患が幅広く、また急性期から慢性期まで対象とする時期もさまざまです。内科なので長くじっくり患者さんと向き合えることに魅力を感じて、こちらの部署を希望しました。しかし患者さんの状態や検査値、自覚症状を確認していきながらケアを組み立てるのは難しく、患者さんから症状の訴えがあった際には、内服などでの対応でいいのか、医師へ報告するべきなのかといったアセスメント能力が求められます。患者さんと会話を通じて、病気に対して抱える思いなどを知り、今後は身体だけでなく、心に対してもケアを行い、信頼を提供できるようになりたいと思っています。
経験豊富な先輩が多く、学ぶべきことがたくさん。
1年目と比べると仕事にも慣れましたが、先輩の目が離れて一人で仕事をすることも増え、不安を感じる時も。だからこそ、不安なところは手技を一つ一つ着実に獲得して自信を付けていきたいという思いが強くなってきました。当院は教育制度がしっかりしているので、不安なことがあれば先輩に何でも相談しやすい環境が整っています。また規模が大きいため、他部署を経験してきた先輩のアドバイスが聞けるのも良い勉強になっています。「仕事の効率も大事だが、患者さんの安全を一番に考えなければいけない」という先輩の助言には、自分の行動がどのようなリスクを患者さんに与えるのかを想定し、患者さんの安全を確保することの大切さを教えてもらいました。
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Interview 03
自分のアセスメント力が試される環境で、実力を磨いて。
Interview 03
自分のアセスメント力が試される環境で、実力を磨いて。
術後急性期の患者さんや救急搬送された患者さん、院内急変の患者さんなど、所属するHCUでは多岐に渡る状態の患者さんに看護を提供しています。看護師が患者さんの状態を的確にアセスメントをして医師へ報告し治療を提供するため、主体性や責任感が必要な部署です。その分、ここを経験すればアセスメント能力が身に付くかと思い、HCUを希望しました。受け持つ患者さんの重症度が1、2年目の頃よりも高くなり、今まで以上に自分のアセスメントが患者さんに与える影響の大きさを感じています。後輩も増えてきて今は直接指導することがないものの、質問された時はきちんと説明しなければいけません。今後はきちんと言語化して、教える技術も身に着けていきたいです。
患者さんの回復を目の当たりにして、大きなやりがいに。
HCUでは患者さんの身体の痛みや急変リスクを伴う時期に接する機会が多いので、どのように接していくべきが悩むときも。日勤では先輩看護師と一緒に行動するので、とにかく先輩の接し方や看護技術を吸収するように心がけています。日々リハビリを頑張り、手術侵襲や術後疼痛を乗り越えて状態が改善して、一般病棟に退室できるようになった患者さんが喜んでいるのを見ると大きなやりがいを感じます。この間まで呼吸器を付けていた患者さんが普通に座れるまで元気になっていく姿を見届けられるのは、看護師をしていてよかったと思える瞬間です。
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Interview 04
子どもの権利を守りながらできるだけ苦痛や不安を除く。
Interview 04
子どもの権利を守りながらできるだけ苦痛や不安を除く。
研修の時に医師や看護師が子どもの権利を守りながら処置を行い、子どもたちが元気に退院していく姿が印象的で小児科を希望して入職しました。新生児から思春期まで幅広い年齢層の患者さんがいるため、処置や検査の時は、相手が子どもなので理解してもらえるよう検査を動画で見てもらうなど、できるだけ苦痛や不安がないように関わっています。大学病院だからこそ重症やめずらしい疾患の患者と出会うことも多く、年齢や個別性に合わせた判断や処置は看護師としての難しさがありますが、一緒に働くスタッフはみんな子どもと関わることが好きな人ばかりで、和気あいあいとした環境で働くことができています。
いろんな患者さんと出会うことで、学びのモチベーションに。
4年目となり、後輩看護師も増えていき、重症患者を担当することが多くなりました。癌のターミナルの患者さんの受け持ちを行ったことで、痛み、病気を抱えながら生きていくための支援をすることの困難さに直面した経験も。緩和ケアの専門チームや医師、薬剤師、社会福祉士、栄養士等他職種との連携を行い、支援を実施しながら患者さんが外出できたときは達成感が生まれましたが、亡くなられたときは「もっとこうしてあげられたらよかった」という後悔もありました。そのため、今後は終末期のケアの専門分野をさらに学習し、患者さんがその人らしく生きていけるような支援ができるようになりたいと思います。
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Interview 05
先輩の背中を見て、自分も研修を受ける決意を。
Interview 05
先輩の背中を見て、自分も研修を受ける決意を。
外科術後病棟管理領域パッケージを令和3年度に修了しました。現在の勤務している病棟は呼吸器外科・移植外科がメインの病棟なので、肺癌の手術を受ける前の患者さんの動脈血採取や術後の患者さんの胸腔ドレーン・腹腔ドレーンの抜去、中心静脈カテーテル類の抜去を主に実施しています。またPICCの挿入についても院内で設けられている特定行為の日を中心に実施することも。もともと先輩が研修に参加していたことをきっかけに興味を持ったのですが、研修後を終えた先輩の仕事の動きを見ているとその興味がより強くなっていきました。研修のアドバイスもしてもらえたので、身近に研修を修了した先輩がいたことは心強かったです。
医師との連携で、より根拠をもって患者さんのケアに介入。
実際に研修を修了してからは、日々の看護実践において侵襲的なケアを行うこともあるため、責任がより重くなった実感があります。しかし、タイムリーにケアを実践し、患者さんの回復促進に繋がる介入ができることはやりがいを感じる部分です。研修の中では医師から直接、解剖学的知識や臨床推論について学ぶ機会があったので、「こう手術しているから、ここを見ないといけない」と、より根拠を持って日々の看護実践に取り組めるようになりました。現在の部署では特定行為看護師が私1名なので、その学びややりがいを日々の看護実践を通して伝えて、他のスタッフにも裾野を広げていくことができたらと考えています。
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Interview 06
経験を重ねることで自分の成長を感じられる仕事。
Interview 06
経験を重ねることで自分の成長を感じられる仕事。
所属する消化器外科は、重症度が高くめずらしい症例も多いので、看護の勉強になっています。看護師の役割としては主に、術後の患者の状態に応じた看護の提供や化学療法、放射線療法を行う患者さんの副作用症状の早期発見に努め、治療完遂までの支援です。楽しいよりもきつい事を感じることが多い職業かもしれませんが、患者から「ありがとう」と感謝の言葉を言われると、今まで大変だったことや悩んだことが報われた気がして、また真摯に看護師という仕事に向き合おうと思えます。また当院は福利厚生も充実しており、子どもが産まれた時は育児休暇が取れて大変助かりました。周囲の理解もあり、働きやすい環境にも感謝です。
社会の変化に適応しながら働きやすい職場づくりを。
2022年には看護師キャリア支援事業研修の一期生として、地域拠点病院で従事する経験をしてきました。研修先では病棟のマネジメントや退院支援に関することを中心に活動し、“変わっていくことの大切さ”を改めて実感することに。例えば紙カルテが多い中、電子カルテに切り替えることや看護業務も一つ一つを見直して業務をスリム化するなど、病棟単位での行動やマインドを変えることで事故を防いだり、残業を減らしたりと変革の成果を上げられることを知ったのは、よい学びになりました。今後は地域性や社会情勢を踏まえた上で看護師として求められることを自ら実践し、“変化に適応できる組織作り”の一端を担えればと考えています。
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Interview 07
患者さん中心の看護を意識してもらう指導や教育を。
Interview 07
患者さん中心の看護を意識してもらう指導や教育を。
当部署は、熊本県の総合周産期母子医療センターに指定されており、県内のハイリスク症例を多く受け入れています。リスクがありながらも、妊娠・出産、そして育児を行っていくために、患者さんやご家族にとってどんな事が必要かなどをスタッフ全員で考えながら関わっています。産科はお母さんと赤ちゃんの2人の命を預かっているので、そのことを認識したうえで看護が大切。新人看護師は先輩スタッフと一緒に患者さんを担当することで、技術の獲得だけでなく、患者さんとの関わり方を学べるように取り組んでいます。「これができた」という達成感も必要ですが、それが患者さんにとってどうだったか、という所まで考えられる、そんな教育が理想です。
看護師が安定したメンタルで働ける職場環境を意識。
助産師としての業務に加え、副看護師長としては部署での教育・業務・安全など、多くの分野に関わっています。現在、教育担当の役割を担っているため、主に部署スタッフへの教育にも取り組んでいます。患者さんに寄り添った看護を行うためには、スタッフのメンタルが安定していることも重要な要素のひとつ。分娩は2人の命を預かる分、プレッシャーも大きいので1人の看護師が分娩に集中するのではなく、妊婦さんや分娩、産後、緊急搬送といろんな看護を担当してもらってワークライフバランスを考えた働き方を提案中です。病棟にはさまざまな経験や得意分野をもつスタッフが在籍しているので、一緒に看護を行う事で視野が広がりますよ。
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Interview 08
リハビリを頑張る患者さんのサポートがやりがい。
Interview 08
リハビリを頑張る患者さんのサポートがやりがい。
10年間耳鼻科病棟にいた後、脳外科病棟へと異動して3年目になります。同じ外科でもまったく違い、脳卒中や脳腫瘍に対して開頭手術や血管内治療など外科治療を行う患者さんの看護を行う毎日。脳の障害により身体に麻痺がある患者さんが多いため、車いすやストレッチャーの介助など力仕事が多く、応援に呼ばれることもあります。異動して間もないころ、脳腫瘍による高次機能障害で、認知力の低下と麻痺が出現している患者さんを担当したのですが、術後は麻痺により自宅に帰ることが難しい状況でした。本人とご家族の「自宅で生活したい」という希望でリハビリを頑張り、訪問看護を導入して退院できた時は、患者さんとご家族の喜びが本当に嬉しかったです。
子育て世代も多く活躍する、働きやすい職場環境。
この4月から副看護師長になり、管理の仕事が増えました。看護師のレポートを見たり副看護師長が集まる会議に出たりと多忙な日々ですが、その分勉強になることもたくさん。分からないことは他部署の副看護師長や先輩に相談させてもらったり、アドバイスをもらったりしています。今後もさらに病棟全体を把握して、後輩や新人から頼られる看護師になりたいです。またプライベートでは小学生の子ども2人の父親でもあり、共働きのため休日は家事を積極的に行っています。熊本大学病院は産休・育休や院内保育園などの福利厚生も充実しているため、子育て中の看護師もたくさん活躍中です。子どもがいても働きやすく、子育てと仕事を両立できる環境はありがたいですね。